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モルモットの理想的な食餌
 主食は牧草
 副食に良質なペレット
 おやつに少量の野菜


簡単に書きましたが、これは意外に難しいことなんです。
以下に、なぜこのような食餌が理想なのか、詳しく説明します。



せんい質ついて
モルモットは、完全な草食動物であり、食べものに含まれる
せんい質が非常に重要です。
せんいは盲腸の腸内細菌の栄養源であり、
腸内細菌によるせんいの発酵で盲腸内phを低く保つことによって、
有害微生物の増殖を防いでいます。
つまり、せんいの不足は、盲腸の腸内細菌のバランス異常と
盲腸内phの異常を引き起こします。
また、せんいは腸の蠕動運動を促し、消化管の通過速度を早めます。
腸の運動が早いと、グルーミングによって多少の毛を
舐め取ったとしても、毛球症になりにくくなります。
さらに、せんい質はよく咀嚼するため、歯の磨耗にも役立ちます。




せんい質を多く摂取する利点
@盲腸の腸内細菌が豊富に発達するため、食欲の低下が起こりにくい。
A盲腸内のphが低く保たれるため、悪い細菌に感染しにくい。
B毛球症の予防になる。
C歯の不正咬合、伸びすぎの予防になる。




せんい質
(%)
たんぱく質
(%)
脂肪
(%)
カルシウム
(%)
カロリー
(kcal/100g)
ビタミンC
牧草 アルファルファ 25〜32 17 - 1.3 -
チモシー 29〜36 8〜12 - 0.5 -
ペレット モルモット
セレクション
16〜19 14〜17 2〜4 0.6〜0.8 280
生野菜 チンゲン菜 1.2 0.6 0.1 (mg/100g)
100
9 24
小松菜 1.9 1.5 0.2 170 14 39
キャベツ 1.8 1.3 0.2 43 23 41
にんじん 2.7 0.6 0.1 28 37 4
はくさい 1.3 0.8 0.1 43 14 19
りんご 1.5 0.2 0.1 3 54 4

上の表をみてもらうと分かると思いますが、
ペレットは牧草に比べるとせんい質がすごく少ないのです。
さらに、野菜はもっと少ないです。

つまり、せんい質を多く摂取しようと思うと、
牧草をたくさん食べなければなりません。

しかし、困ったことに大抵のモルモットは、牧草よりペレットを好みます。



牧草を食べさせるためには・・・
●牧草は常に置いておきます。
●牧草には、いろいろな種類があるので、いろいろ試して見てください。
1番刈り、3番刈り、チモシー、イタリアングラス、生牧草など)
●ペレットは、朝と夜の2回に分けて与えます。
●ペレットの量を少しずつ減らしていって
ペレットを全部食べてしまい、牧草しかない時間帯を作ります。

●理想的には、ペレットの1日量は、体重1kgあたり30です。
●食餌の変更は時間をかけて根気強くゆっくり行ってください。



牧草について
大きく分けると、マメ科の牧草とイネ科の牧草があります。
アルファルファなどのマメ科の牧草の特徴は、嗜好性が高く、
たんぱく質が多く含まれ、またカルシウムも多く含みます。
そのため、生後1年までの子モルモットに適しています。

チモシー、イタリアングラス、バミューダグラス、スーダングラス、
クレイングラスなどのイネ科の牧草の特徴は、
たんぱく質の量が少なく、カルシウムの量も少ないです。
大人のモルモットに適しています。
肥満や膀胱結石の予防になります。




モルモットフードについて
ペレットタイプのものと、ミックスタイプのものがあります。
ミックスタイプのものは、ひまわりの種やトウモロコシ、
エン麦、乾燥野菜、ペレットなどが、混ぜてあるものです。
これはモルモットが好きなものだけ食べてしまい、嫌いなものを
食べないので栄養的にバランスが取れません。
また、モルモットにとって必要のない種やエン麦などが
含まれていますので、
モルモットフードは必ずペレットタイプのものを与えてください。

ペレットタイプのものは、一粒の中に全ての栄養素が含まれて
いますので、栄養がかたよることはありません。
しかし、モルモット用のペレットとして市販されているものでも、
粗悪なものもありますので、注意が必要です。
カルシウムの量が制限され、せんい質の量が多く、カロリー量が抑えられ、
合成着色料を使用していないものを選んでください。
当院では、以下のフードを扱っています。


モルモットセレクション (イースター社)  
たんぱく質 13.0%以上
脂肪 2.0%以上
せんい質 18.0〜24.0%
カルシウム 0.5〜0.8%
カロリー 240kcal以上/100g




ビタミンCについて

モルモットは、体内でビタミンCを合成することができませんので
ゴハンからビタミンCを摂取しなければなりません。
モルモット用のペレットには、ビタミンCが添加されています。
しかし、ビタミンCは空気や熱にふれると少しずつ
破壊されていきます。
ペレットは小袋に分けるか、密閉容器に入れて
冷蔵庫に保管してください。
ビタミンCの要求量は10mg/kgといわれていますが
病気時や妊娠時は30〜50mg/kgに増加します。




生野菜について
モルモットは、野菜を非常に好んで食べます。
しかし、野菜は、野草や牧草に比べると
せんい質がかなり少ないです。

このため、おやつとして少量与えてください。
1日量の目安としては、体重1kgあたり6グラム程度です。
ビタミンCを多く含む野菜を与えてください。
パセリ、ブロッコリー、ピーマンなどが
おすすめです。



/100g エネルギー ビタ
ミン
C
たんぱく質 カルシウム リン ビタミンA 食物繊維
kcal mg g mg mg μg g
チンゲンサイ 9 24 0.6 100 27 2000 1.2
小松菜 14 39 1.5 170 45 3100 1.9
キャベツ 23 41 1.3 43 27 50 1.8
パセリ 44 120 3.7 290 61 7400 6.8
シソ 37 26 3.9 230 70 11000 7.3
大阪シロ菜 13 28 1.4 150 52 1300 1.8
ブロッコリー 33 120 4.3 38 89 810 4.4
水菜 23 55 2.2 210 64 1300 3.0
クレソン 15 26 2.1 110 57 2700 2.5
青ピーマン 22 76 0.9 11 22 400 2.3
さつまいも  132 29 1.2 40 46 23 2.3
ほうれん草 20 35 2.2 49 47 4200 2.8
モロヘイヤ 38 65 4.8 260 110 10000 5.9
バジル 24 16 2 240 41 6300 4.0
ハクサイ 14 19 0.8 43 33 99 1.3
レタス 12 5 0.6 19 22 240 1.1
サラダ菜 14 14 1.7 56 49 2200 1.8
サニーレタス 16 17 1.2 66 31 2000 2.0
三つ葉 18 8 1 25 50 730 2.5
きゅうり 14 14 1 26 36 330 1.1
ニンジン 37 4 0.6 28 25 9100 2.7
春菊 22 19 2.3 120 44 4500 0.2
セロリ 15 7 1 39 39 44 1.5
ナズナ 36 110 4.3 290 92 5200 5.4
りんご 54 4 0.2 3 10 21 1.5
いちご  34 62 0.9 17 31 18 1.4
オレンジ  39 40 1 21 24 120 0.8
すいか 37 10 0.6 4 8 830 0.3
バナナ 86 16 1.1 6 27 56 1.1
ぶどう 59 2 0.4 6 15 21 0.5
もも 40 8 0.6 4 18 5 1.3




炭水化物(でんぷん)について
モルモットは、せんい質を盲腸の腸内細菌で発酵して生きている動物です。
そのため、でんぷんが多くせんいの少ない食事を与えると、
発酵が異常に起こり、盲腸の中で病原微生物が増加してしまい、
最悪の場合は腸毒素血症で急死してしまいます。

与えられる可能性のある炭水化物(でんぷん)としては、
バナナ、サツマイモ、とうもろこし、エン麦、パン、小麦などです。
また、市販のモルモット用のおやつも、
多くが主成分は小麦などのでんぷんです。
これらは、草食動物であるモルモットの本来の食餌からは、
ほど遠い食べ物です。
好んで食べるからといって与えないでください。



/100g エネルギー 水分 たんぱく質 脂質 炭水化物 食物繊維
kcal g g g g g
バナナ 86 75.4 1.1 0.2 22.5 1.1
さつまいも 132 66.1 1.2 0.2 31.5 2.3
トウモロコシ 92 77.1 3.6 1.7 16.8 3.0
えん麦 380 10.0 13.7 5.7 69.1 9.4
大阪シロ菜 13 94.9 1.4 0.2 2.2 1.8
チンゲンサイ 9 96.0 0.6 0.1 2.0 1.2



脂肪について
モルモットにとって、脂肪分はあまり必要ではありません。
ほとんどのペレットは25%の脂肪が含まれているので、
これで十分です。
脂肪の含まれるひまわりの種、市販のおやつ、
とうもろこしなどは与えないでください。




カルシウムについて
モルモットのカルシウム代謝も、うさぎと同様に
独特です。
たいていの哺乳動物は、体内のビタミンDによって、
腸からのカルシウムの吸収が制限されています。
しかし、モルモットの場合は、ビタミンDの存在の有無に関わらず、
食餌中のカルシウムは非常に効率よく吸収されます。
さらに、モルモットは、余分なカルシウムを、尿の中に排泄します。
このため、カルシウムを過剰に摂取すると、尿の中のカルシウムが増加し、
膀胱結石の原因になります。
牧草では、アルファルファがカルシウム含量が高く、
チモシーなどイネ科植物は低いです。
また、ペレットは一般にカルシウム含量が高いです。







ゆず動物病院

〒661-0966
兵庫県尼崎市西川2-35-3
TEL.06-7504-2130



●JR尼崎駅より徒歩10分

●駐車場あり
(北側の駐車場13〜15)

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